インタビューのラストです。
岡田あづまさん、お付き合い頂きありがとうございました!
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サルまんを解説する岡田さん
【天下一での戦略】
松澤:天下一での戦略とかってありますか?
岡田:んー。
橋本(※天下一武道会の司会)という装置をいかに踏み台にするかという点がありますね。
動画とかで見ただけだと、最初はウザったいものもあるんだけど。
やっぱり現場にいるとあの装置があることで生まれる笑いや分かりやすさというのもあるから。
で、あの装置にひっかかりを作るような解答を作るんですよ。
のり貼る時ののりしろみたいな、橋本しろを作ると。
あえて、解答自体ではウケを取らないで、橋本のツッコミをへてウケを取ると。
松澤:ははは!なるほど
岡田:ミッキーとキティーちゃんの風船を持った女の子の写真で、ディズニーだけを出すと橋本は「キティーもいるだろ」ってツッコむだろうなと予測して解答を出すと。
松澤:そこまで読んでるんですか!すごい。
岡田:で「やっぱりディズニー、1人乗っても大丈夫」って解答を出して。
橋本がキティーの方に行くかもしれないし、イナバ物置のフレーズ使ってることに行くかもしれないと。
松澤:高度な麻雀のヨミみたいですね。
他の人の捨て牌からリーチ者の待ち牌を反射して読むみたいな。
岡田:やっぱり決勝に残りたいじゃないですか。
そのためだったら何かできる事ないだろうかって考えたんですよね。参加人数の少ないブロック狙ったり。
あとは予選の1試合目って勝たなくて良いじゃないですか。負けた人が地獄に落ちるだけで。
2戦目も2位までは本戦にあがれるわけだから、強ければ勝たなくて良い。
ちょっとだから1戦目と2戦目では戦いの性質が違うのかなって思います。
松澤:なるほど
岡田:前回「抜けられるの確定したかな」って思ったときに心が折れたんですよ。
写真お題のときにそれがあって、手を止めちゃって。
やっぱり回答するのって恥ずかしいですから。
松澤:恥ずかしいって感情があるんですね。
岡田:あとは、他の人の捨て牌って要素もすごい活用できますよね。
6人が場にいて、それぞれ違うコンピューターを搭載してて。
大喜利やってれば、どういう風に展開させたかって分かるじゃないですか。
松澤:どこからこの発想は出てるかってことですよね。
岡田:自分が手詰まりだったときに、お題のこういう要素を使ってこの解答に行ったんだなって分かるから参考にするというか。
天丼とかじゃなく、発想の展開の仕方を重ねるというか。
松澤:ワード的な天丼ってわけじゃなくて、思考プロセスの天丼ですね。
岡田:はじめて見るお題を3分ないし4分しか時間くれないわけですから。
そんな中では、どうにかしてやるしかないかなと。
松澤:たしかに。他の人の解答を参考にするってのはよくありますよね。
前に「新俳句3・3・3で貧しさを表現してください」ってお題を出した際に、やまきさんが「4円 足りず 歩く」って解答をしまして。
そこから他の人も「あっ、こういう方向か」ってバーッっと解答が出ましたね。
それまで結構みんな苦戦してたんですけど。
岡田:具体性だったりとか、お金のために代償にしたものだとかで攻めるわけですね。
最初はやっぱり、文字数の制約でビックリしちゃうと思うんですよ。
7・5調でもない、3・3・3ですからね。
松澤:ですね。文字数の制約ってそれだけでだいぶ厳しいですもんね。
岡田:でも、実際やってると周りの解答が見えない時ってありますよね。
松澤:そうですね。
1語1句同じ解答が出る場面って結構ありますからねー。
こないだハガキ職人ナイトEXに出させていただいた時に感じたんですけど、やっぱり周りの解答を聞く余地はなくなりますねー。
自分の思考の中で掘り下げていかないと、良いのが出ないってのもありますし。
岡田:ほんと起こることですよね。
最初はそれ、採点するときにマイナス点にしようかと思ってたんですけど。
やっぱやってくと出るし、そこは減点ではなく加点式にしましたね。
松澤:加点式で審査してたんですね。
岡田:予選のときはかなり真剣に審査して、本戦は病気だったんでグッタリしてました(笑)
【気になる解答者】
岡田:ハガキ職人ナイトでないとくんさんの凄さが分かったんですよ。
田村Rさんとか館長さんがズタズタにしてった道を、ないとくんさんは正統派で引き締めるというか。
そういうのに憧れてて。
自分的には場を0くらいに持ってければ良いかなって思ってるんですけど、ないとくんさんはもっと強い感じですね。
このお題に対してはこういうアプローチするのが正解なんだよって見せながら、自分のアピールもしてて。この人強いなー、と。
松澤: 大喜利実際にやってる人と、自分で大喜利やるわけじゃないって人だとまた見るところが違ったりもしますもんね。ないとさんの凄さって、やってる人がおーって思う凄さって感じがしますね。
岡田:ありますねー。
普段のハガキ職人ナイトの方に、哲ひとさんが出てるんですね。
哲ひとさんってファミ通町内会とか伊集院深夜の馬鹿力とか色んなとこに投稿されてて。
ハガキ職人から見て、ネタが美しかったりとか、完成度が高いイメージがあるんですよ。
で、たまたま会社の上司が見に来てて、哲ひとさんに対する評価がそれほどでもなかったんですよ。
ゴテゴテしてるとか、言ってて。
ハガキ職人としてはそういうのが憧れるとこなんですけど、飲み込むにくいとこでもあるようですね。
松澤:大喜利実力判定考査で哲ひとさんの解答見て、すごい強いなあ、なんて完成度だってビックリしましたね。
岡田:大喜利やってて楽しいのは、そういう人にもまれに勝てる時があるってとこですかね。
強い人でも全部に負けてるわけじゃないというか。
松澤:あー、場の空気とかもありますもんね。
自分とのやりかたとの組み合わせとかもありますし。
たとえば、前大会2位の俺ランさんのやり方だと緊張感の高い場だと活きますしね。
1人だけ、すげーふざけてるみたいな。
だから、前回は二階堂さんと俺ランさんの組み合わせは良かった気がしますけどね。
二階堂さんが正統派で、俺ランさんも光るみたいな。
岡田:そう考えると、天下一へのエントリーって悩むんですよね。
やっぱり自分が残りたいんだけど、やりたい人ってのもいるし。
前回大会で負けちゃったあの娘を想うとさんとかお手てさんとはやりたいなーって思うし。
ハガキ職人ナイトでも一緒にやってるナンセンスさんとか荒俣宏さんともやってみたいですしね。
黒目さんとも、ないとくんさんもやりたいですしね。
そういうのがだんだん増えてますね。
前回は、単純に人数が少ないとこって基準で決めたんで。
松澤:因縁の対決が増えていってるわけですね。
岡田:まー、みんなマジだから誰とあたっても良いんですけどね。
今までだったら何かしらの言い訳が出来たんですよ。
ハガキ職人ナイトだったら別に他の人をひきたてるような回答が出来れば、自分が前面に出てなくても良いみたいな言い訳出来たりとか。
投稿に関しても他のことをやりながらだとかで。
天下一だと短い時間で、同じ条件でやるから言い訳が出来ないですね。
松澤:なるほど
岡田:で、みんなもコレに対して本気で。
なんとなくで来てる人ってあんまりいないじゃないですか。
松澤:そうですね。
2回、3回と参加されてる方はやっぱりガチです。
岡田:それらの中に入ってだから、ほんと勝ち抜けるか分からないですしね。
客席の中に2千円ばらまいた友達を引き連れてけば別ですけど(笑)
それにしたって、前回の本戦でスパイ中村が友達2人呼んだんですけど、スパイ中村には投票してないですからね。僕も彼に入れてないし、スパイ中村も俺に入れてない。
なかなか嘘の数字は書けない。
適当に審査できるような雰囲気でも無いんで、真剣に審査しますけど。
そうすると凄い疲れますよね、真剣に見ますから。
松澤:そこはほんとありがたいですね。
審査が違和感あるものになると、モチベーション湧かなくなりますから。
岡田:人数があんだけいれば審査もキチンとなってきますしね。
でも、最初はどんな大会か分からなかったですから。
参加費用もまじめに汗水流して働いた2千円と、パチンコであてた2千円を用意してて。
相手が悪い人たちだったらパチンコの方で入ろうと思ってたんですよ。
松澤:2種類持ってきてたんですか!
岡田:はい。
でも、入り口で雰囲気作りもしてたんで。
予選だけでも楽しいと思うんですよね、金髪のおねえちゃんがいるし。
松澤:僕自身、大喜利やってる人たちがめちゃくちゃ好きだから、ほんと変なものにしたくないって気持ちが強くて。
だから、サブ司会も当日のイベント運営もすごい緊張しますね。
岡田:まあ、みんな金髪のお姉さんを見てますから、そんな緊張しなくて良いと思いますよ。
そういえば、今までの本戦会場なくなっちゃいましたね。
松澤:そうなんです、ここ最近使ってた会場がつぶれちゃいましたね。
だから今回は新宿文化センターなんですけど、次回はもうちょいカッチリした箱でやりたいですね。 やっぱり本戦出場は勝ち上がった人の特権なんで、ちょっと気取ったところでやりたいんですよね。
【最後にひとこと】
松澤:では、最後にひとことお願いします。
岡田:これからの大会に出る人の考えるヒントになったりとか、申し込もうかなって思ってるけどどうしようって人の背中を押すような話しだとかが出来れば良いな、と思ってコレに挑んだんですけどね。
見にくるだけでも楽しいけど、その楽しさと出る楽しさは別なので。
松澤:あ、ぜひそういう話しを(笑)
岡田:大喜利やる人って奇妙なもんで、弱い人と戦って勝っても気持ち良くなかったりがあって。
黒目さんも「岡田さんが体調良くなって、万全な状態で勝ちたい」って言ってくれたり。スポーツマンシップみたいなのがあって。
松澤:ほー、そういうやりとりがあったですか!
岡田:みんなのそういう気持ちが高まってぶつかって、まだ見ぬ強い人がいて、ベストを尽くしても負けるかも知れない。本当は勝ちたいけど負けるかもしれない、ってのがやりたいことですから。
できるなら全員とやってみたいですしね。
松澤:そういってもらえると嬉しいですね。
主催側で出来ることって、強い解答者に参加していただいて、その解答者に高いモチベーションで挑んでもらうことしかないですから。
その高いモチベーションで挑んでもらうためにも、審査の妥当性だとか、お題の面白みだとか、緊張感のあるスタッフワークだとか、そういう部分は手を緩めたくないですね。
岡田:ほんと迷ってる人がいたら参加して欲しいなあって思いますね。
前回の大会からでいろいろ自分のまずい点ってのは分かってきたので。
より、かくありたいって形には近づいてるとは思うので。
だから参加するブロックも土曜は平日の疲れを癒すために使って、日曜の午後1が一番調子良いだろうなあってのに合わせて予選3にしました。
松澤:そういう理由で予選3なんですか
岡田:前回の予選でニセ生物さんとやったときは、他の人もいたんですけど2人で大喜利やってるような。
そういう気持ちよさがあって。その高揚感をまた味わうために登りたいなあと。
気持ち悪い結論ですけどね、褒めるっていう。
松澤:そうですね。宣伝になるんで、僕は助かりますけど(笑)
ではでは、これでインタビューは終わります。
ありがとうございました。
岡田:ありがとうございました。
【岡田あづまさんインタビュー 完】