2010年12月21日火曜日

ハガキ職人ナイト主催、本多平八郎さん&田村Rさん 1万字インタビューpart1

2010年12月某日

さまざまな大喜利イベントの代表者を集結し、11月に行われた『ハガキ職人ナイトEX』
その主催である本多平八郎さんと、企画運営を担当された田村Rさんにインタビューをさせて頂きました。
バカサイ優勝をはじめ数々の投稿実績をお持ちのお二方に、ネタ作りの方法論や投稿への想いなどなどをお聞きしました。興味深いトピック盛りだくさんです。
かなり長いので3回くらいに分割します。
それではご覧下さいませー!




インタビュアー:大喜利天下一武道会主催松澤→松  田村Rさん→田  本多平八郎さん→本  


【ハガキ職人ナイトEXについて】
松:今日はお集まり頂きありがとうございます。
  載せられないとこはカットしますんで、まぁ、普段着な感じでよろしくお願いします。
  それではまず、ハガキ職人ナイトEX終えての感想はいかがですか?

田:はじめて他の団体と絡むということで、事前はどうなるんだっていう不安の方が大きかったんですけど。
  当日になってみたら本番前の楽屋の時点で和気あいあいとされてたんで、心配が吹っ飛びましたね。

本:私は逆に、大喜利でかなり実績のある方たちばかりだったので、面白さに関しては大丈夫だろうなっていう安心感があったんですけど。
 むしろ、ホスト役がわれわれハガキ職人チームで良いのかっていう不安はありましたね。

松:まわし方とか進行とかそういう不安ですか?

本:せっかく皆さんが揃った媒体がハガキ職人ナイトで良いのかっていうので、ちょっとおそるおそるでした。

田:中心がハガキ職人で良いのかっていう気持ちがありましたね。

本:なので、出演の方々になるべく自由にやってもらえるよう構築したんですけど。

松:ハガキ職人ナイトで出てたお題って、普段大喜利じゃあやらないようなお題が結構あって、やってて凄い楽しかったですねー

本:そう言っていただけるとやった甲斐がありますね

松:どれくらい前から準備されてたんですか?

田:開催したのが11月23日でしたけど、10月頭にはまだ話しもなかったんですよ。
  その頃、ツイッター上で判定考査で繋がりをもった大喜利の方々が「みんなで大喜利やりたいですねー」って話してて。
  じゃあ、ハガキ職人で使ってるカルチャーカルチャーで交流イベントの話を持って行ったらどうだろうと。
  で、会場に聞いてみたら、年内だと11月23日しか空きがないってことで、急遽決まったんですよ。

本:今までのハガキ職人ナイトとはだいぶ形式が違うんで。
  どうしたらスムーズに出来るかって2転3転しましたね。

田:最初はハガキ職人ナイトの冠をつけないでやろうかと思ってたんですけど。
  話し合った結果スピンオフ企画としてやることになりました。

松:なるほど、そういう過程があったんですねえ。
  しかし、1ヶ月半であのイベントを作りあげたのは驚きですねー。

田:もう企画してるときは無我夢中だったもので。
  今思えば無茶したなあって思います。

本:今回はほんと田村さんの行動力に助けられました。

松:終わった後のMIXI日記で田村さん、すごい熱くて。
  アレ読んでこっちまで熱い気持ちになりましたね。

田:大変な部分もありましたけど、今までハガキ職人ナイトでは出るだけで企画にはノータッチで。
  今回は企画や各団体へのお声かけを担当することになって、せっかくなら置きにいかず、攻めの姿勢でいこうと。

松:あのイベントは、そういう攻めの思想で作られてたんですね。
 

【ネタ作りについての考え方】
松:最近、ハガキ職人の方と大喜利をする機会がちょくちょくありまして。
  そのネタの幅広さなどなどに衝撃を受けてますねえ。  

本:ハガキ職人出身の方ってずっと面白いこと考えてるので、どんなお題にも色んな方面から回答を出せるっていう強みがあると思うんですよね。
  自分の持ってる面白いことと大喜利を繋げて出すと。自由度も高いと思うんですよね。

松:ハガキ職人さんって、表現の仕方もなんだか独特な雰囲気を受けるんですよね。
  思いついた視点を自分なりの表現に変換するというか、発想だけじゃなくて表現も面白いみたいな。

本:それは確かに、ラジオとかで沢山読まれてる人の特徴としてあるかもですね。
  名前の知れたハガキ職人さんって、キャラクター性も加えてるかもしれません。

松:うーん、なるほどなるほど。
  本多さんはバカサイで1位取られたんですよね?いつくらいですか?
  (注:バカサイは「週刊SPA!」の投稿コーナーです)

本:そうですねー、2回1位とったことあるんですけども。
  大学3年くらいの時だったので4~5年前になりますかね。

松:その時は、ネタ作りで意識してたことってあるんですか?

本:その時点でもう既に7年くらいやってて、ちょっとずつ順位をあげてたので。
  なんとなく「この人のココを抜けばあとはいけるな」ってプランが出来てきたんですね。
  で、ちょうど今が取るときだ、って突っ走った結果の勝ち方だったかなって。
  一回でガーンってとるよりも、ちょっとずつ順位をあげていくタイプなのかなと。

松:あー、毎回毎回、少しずつネタの改善をしていって。
  戦略的なんですねえ。

本:田村さんは優勝2、3回したことあるんですけど、私とは逆にバーッと速射砲のように出す方なんで。
  田村さんのような方に本気を出されたら、私は絶対かなわないなって思ってますねー。

田:僕はもともと、バカサイ以外の雑誌とかラジオで投稿していまして。
  バカサイで優勝する結構前に、競馬雑誌サラブレのコーナー「ますざぶ」で優勝しまして。
  バカサイにも「ますざぶ」で送る感じで送ってたんですよ。
  というのも「雑誌の投稿コーナーに載りたい」「ポイント取りたい」ってなると、どうしてもそのコーナーの毛色や傾向に合わせて送りたくなるんですけど。あえて、僕はそういう型を一切無視しました。
  みんなと同じ責め方をしてもある程度載るかもしれないけど、突き抜けた存在になるのは難しいだろうなって思ったので。

松:ほうほう

田:やっぱりハガキ選んでる人の視点を考えると、その投稿ページで沢山見てるタイプのネタより、全然違うタイプのものに新鮮さを感じるんじゃないかと。
  なんで、あえて、バカサイモードにはしなかったんですよねー。

本:田村Rモードですね、俺のネタを見ろと(笑)

田:もともとその場にあわせるというのが苦手な人間なもので。

松:あー、大喜利実力判定考査の予選で田村さんを拝見した時、ギリギリ分かるか分からないかの分からないことを結構言ってて(笑)
  それが最高に面白いなあって。

田:ありがとうございます。
  もともと僕は大喜利というよりも投稿の人間なんで。
  頭を大喜利に切り替えるのは、なんか自分らしくないんじゃないかと思ったんですよね。
  結果はどうなるか分からないですけど、投稿モードでいってみようと考えてたんですよ。

松:正統派なのも、もちろん好きなんですけど。
  僕個人としては、どっちかっていうと、田村さんとか俺ランさんとか館長さんとか、そういうあんまし見たことない感じの大喜利見ると、特に「スゲー」ってワクワクしちゃいます。

田:なんというか、いやー、100点が好きじゃあないんですよね。
  正統派の大正解だなって回答も、すごい面白いですけど。
  自分でやるなら誰もやらないような回答をしたいなあと。
  120点、200点を目指すというか、100デシベルとかを目指したいです。

松:もう単位が違うんですね。ヘクトパスカルとか。
  本多さんのネタの作り方は全然違うって感じですか?

本:私は絶対田村さんみたいなネタは書けないですね。絶対無理です(笑)

田:こないだのハガキ職人ナイトEXでは、館長さんがものすごくお題をぶっ壊しにかかってらっしゃったんですけど。そういう方と同じ舞台に立つのはすごく楽しいです。
 壊し屋って、それが結果的に新しいものを生み出す感じで、それが好きなんですよね。



【PART2へ続く】